税理士さんも怒る、柏市の税の滞納整理手法…その1
先日、ある税理士さんから電話をいただきました。
「市税を滞納しているお客さんのことで柏市の収納課と交渉しているが、納税者の本税優先の充当を認めようとしない。柏市の対応は税法上もおかしいのではないか」ということでした。
そのお話を聞いて、私にはピンときました。市税や国保料の滞納問題の相談で、担当課と常にぶつかってきたことです。議会質問でも何度か取り上げてきました。
柏市の場合、市民税は4期、国保料は10期に分けて納期が決められています。滞納すると納期ごとに年利14.6%という高利の延滞利息が付きます。
この滞納している税や保険料を市民が納付しようとすると、柏市は納期ごとの本税にまず充て、次に終わった本税の延滞利息に充てます。そして次の本税、その延滞利息……という順に充てることを内規で決めています。市民が「本税を先に終わらせたい」といっても原則認めません。こうすることによって延滞利息がふくらんで、分納期間が長引いて、あるいは納付額が少ないといつまでも完納できずに、市民は苦しむことになります。
税理士さんは「このお客さんの場合は国税の滞納もあって税務署とも交渉したのですが、『この分納は本税から先に充てていいんですよね』と、税務署側から言うくらい税法上は当然のことなんです。柏市の対応は、私たち税理士の常識からは理解できないほどひどい」といいます。
きょう、相談者、税理士さんといっしょに収納課で話し合いました。結論は持ち越しましたが、滞納者を〝悪者〟とみる柏市の滞納整理の手法に、改めて怒りを燃やしました。
以下、一昨年12月議会での私の質問を参考までに付けておきます。(該当部分だけをまとめましたが、それでも長いので、関心のある方はどうぞ)
(平野光一) ……平成21年度柏市包括外部監査結果報告書では、平成20年度の市税や国民健康保険料に関する事務の監査結果について報告しています。この報告書で使われている市の資料によれば、個人市民税の滞納は1万7,719件、赤ちゃんからお年寄りまで人口の22人に1人、柏市は世帯人数の平均が2.5人ですから、約9世帯に1世帯が個人市民税を滞納しています。国民健康保険料では、滞納は1万6,868件、加入世帯6万618世帯ですから、3.6世帯に1世帯が滞納しています。12月に毎年送られる現年分と繰り越し分を合わせた国保料の催告書の発送件数は1万4,784通、4世帯に1通という数です。市民税や国保料の滞納問題は、ごく一部の人の問題ではなく、お隣や御近所で必ず起こっているわけです。市長は、きのうの武藤議員の質問に、国民健康保険の制度そのものが破綻していると答弁しましたが、柏市民のこれほど多くの世帯が市民税や国保料の滞納に苦しんでいるわけですから、制度が破綻していると淡々と述べるのではなく、その苦しみを少しでも軽減するために市長として全力を尽くすことが必要じゃないでしょうか。柏市の収納担当部署では、滞納分の税や国保料の一部を市民が納付したとき、納期の古いものの本税、本料に充て、次には年利14.6%の延滞利息に充てることを原則としています。本税、延滞利息、本税、延滞利息と繰り返していきます。納期を超えて本税、本料に優先的に充てていけば、延滞利息の計算のもととなる金額がゼロになりますから、延滞利息はその時点で固定され、それ以上ふえません。滞納している市民にとっては、延滞利息の負担が少なくなり、その分早く払い終えることができます。しかし、柏市は、市民がまず本税、本料を払い終えたいと希望しても、原則それを認めません。先日82歳と74歳の老夫婦が相談に見えました。82歳の夫は、脳梗塞の後遺症のリハビリ中です。74歳の妻は、インスリンによる糖尿病の治療を続けています。妻が胃の切除、胆石、脳出血と続けざまに入院が必要になった時期に保険料を滞納するようになりました。最近まで年金の支給月に8,000円ずつ分納していましたけれど、保険年金課で、これではいつまでたっても終わりませんよ、3万円にできませんかと言われ、約束してしまったけれども、3万円では夫のリハビリの回数を減らさなければならなくなる、2万円にしてもらえるように一緒に市役所に相談に行ってほしいというわけです。保険年金課で、2万円は納期を超えてまず本料に充てて、生きている間に保険料の滞納を終わらせたいという御本人の希望を伝えました。保険年金課は、検討するとのことでしたが、送られてきた納付書は本料、延滞金、本料、延滞金というものでした。市民の希望を無視した、あるいは納めるお金の充てる先を指定した、こういう市民の意向を無視した柏市の方針は、民法488条1項、弁済の充当の指定というのがあります。債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において、弁済として提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りないときは、弁済をする者は給付のときにその弁済を充当すべき債務を指定することができる。489条1項の2、債務の中に弁済期にあるものと弁済期にないものとがあるときは弁済期にあるものに先に充当する。2、すべての債務が弁済期にあるとき、または弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。この民法の規定に反しているのではないでしょうか、お答えください。
(秋山市長) ……続きまして、国民健康保険料の負担に関する御質問でございますが、議員御指摘いただいた民法上の考え方、我々は地方税法上の第20条の9の4第2項の規定に沿って執行しております。もちろん滞納者の生活状況にも配慮しながら、延滞金の減免であったり、あるいは免除、執行停止を行うなど、滞納者の生活に配慮した滞納処理もケース・バイ・ケースでしっかり行っているところでございますので、引き続き地方税法の規定にのっとって行いたいと考えております。
(平野光一君) 市長の滞納処分のときのお金の本税に入れるのか延滞金に入れるのかという問題で、答弁は、地方税法20条9の4の2、これに基づいてやっているんだということなんです。その20条の9の4の2というのは、こんなふうに書いてあるんです。この法律の規定により、納税者または特別徴収義務者が延滞金をその額の計算の基礎となる地方税に加算して納付し、または納付すべき場合において、納税者または特別徴収義務者が納付し、または納付した金額がその延滞金の額の計算の基礎となる地方税の額に達するまでは、その納付し、または納付した金額は、まずその計算の基礎となる地方税に充てられたものとすると、こういう規定がありまして、今の柏市のやり方は、皆さん見たことあるかどうかわかりませんが、滞納した人たちの資料の中には、本税があって、延滞金がある。市税でいえば4期に分かれていますよね。国保料でいえば10期に分かれていますよね。期ごとに本税があって、延滞金がある。本税があって、延滞金がある。これは、今言った左側の本税なり本料がゼロになれば、右の延滞金はそこでストップして、それ以上ふえないわけですよね。だから、今の柏市のやり方、本税、延滞金、本税、延滞金とやっていけば、その延滞金に納めている期間だけ、長い間延滞利息がほかのところでついてしまうということなんですよ。だから、この今の柏市のやり方、何に基づいてやっているんだと聞いたら、そういうことが今言われたわけです。この収納担当の職員の皆さんなんかが使っているQ&A、これは地方税優先の原則及び地方税と他の債権との調整というページなんですけれど、ここに民法の489条第2項参照というのがありまして、ここで延滞金の課されるもの、もしくはその割合の高いものに充てる等、できるだけ納税者等に有利になるように処理すべきであると。納税者のために有利になるように処理すべきである、この言葉の説明として民法第149条第2項参照、第1問で紹介したその条文が出てくるわけですよ。だから、地方税法のこの取り扱いについても、民法のそういう規定、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当しなさい。その債務者が充当すべき債務を指定することができる。まず、指定することができる。それから、利益の多いものに先に充当しなさい、このように書いています。私は、市長、民間の企業経営者であれば、例えばその企業なりが税を滞納していたときに、税務署に行って税金を納めるときに、その滞納者の、あるいは会社の一番利益になるように、そのように有利になるように、こうしてほしい、こうやってほしいということで、大抵税務署は認めますよ、そういうことを。それで、経営者なんかはそのことを一生懸命考えますよね。考えざるを得ませんよ。どうしたら一番有利になるか。ところが、柏市の場合は、平成22年度滞納整理アクションプラン、こういうのをつくっていますよね。これを見ますと、平成19年を境に、滞納繰り越し分、これは市民税のほうを言っています。滞納繰り越し分の収納率、収入済額が平成19年から20年、21年とだんだん少なくなるんですよ。減ってくるんです。これは、滞納繰り越し分の本税のほうです。ところが、次のページにグラフが載っていますけど、同じ19年から延滞金徴収額がそれまでの17年、18年の2倍以上にふえるんです。延滞金をたくさん取ろう、そのために本料、本税に回すところが19年から減ってくるんです。私は、このやり方は地方自治体の税の集め方、国保料の集め方として本末転倒じゃないかと。市民が、先ほども言いましたように、9件に1件ぐらいが個人市民税を滞納している。国保料については、加入世帯の4件に1件が滞納している。そういう方たちが市役所の収納課なり保険年金課に来て、できるだけ早く少ない負担で税金を納めたいと、そうやって相談に来るのに、それはだめだと。延滞金もちゃんと取りますよ、それで期間が長くなる、延滞金の利息がふえる、そういうやり方を今柏市はやっているんですよ。それが正しいと言っているんですよ。法律に基づいてやっていると言っているんですよ。おかしいじゃないですか。それこそ今言ったサラ金ですよ。サラ金も利息をどんどん稼ぐ。幾らでも稼ぐ。元金のほうは、どうですか、また枠ができましたけど、借りませんか。本体のほうは、少なくなれば貸す、少なくなれば貸すと、いつまでも本体を減らさないで利息だけ稼いでいく、これがサラ金のやり方ですよ。自治体がそういうやり方をやっていいんでしょうか。市民と協働だとか市民と一緒に市の財政の再建だとやっていかなきゃいけないときに、市民からできるだけたくさん取ろうと。だって、こうやって滞納されている方というのは、中には本当に、皆さんここでも言われているように、悪質な滞納者、資産、財産たっぷりあるのに払わない、払いたくない、そういう人も中にはいるでしょうよ、それは。いますよ。だけど、このアクションプランにも書いていますけど、大多数は十分な収入や財産がなくて、あるいは収入や財産が全くないというわけじゃないけれども、十分な収入や財産がない、この滞納者が大半であると。そこからどうやって取るかというのが大事なんだと書いているんです。それは大事でしょうよ。過去の滞納分も払っていただくというのは大切なことです。だけども、それには市の職員として、自治体の職員としての節度といいますか、モラル、倫理、私は必要だと思います。市民を苦しめる方向、苦しめる方向に取ろう、やり方をしよう、それは間違いじゃないでしょうか、市長。
(秋山市長) 間違いかどうか一概には言えなくて、恐らくいろんな状況を見なければいけないと。本当にさまざまな事情があって、行政として支援しなければいけない、サポートしなければいけないという方もいらっしゃると思います。一方で、悪意まではいかなくても、何とかなるかもしれないけども、優先順位が下がって市税を滞納されてしまう方もいらっしゃる。多分いろんな方がいらっしゃると思います。その中で、延滞税の部分は納めるという部分を仕組みとして強制するというか、仕組みとしてそっちに向けるようにやるような仕組みになっていると思います。ただ、平野議員おっしゃるとおり、いろんなケースがあると。そこで、画一的に対応する部分は問題があると思いますので、そこは実態をもう少し担当課と一緒に分析をして、一律じゃなくて、例えばこういう場合はこう、こういう場合はこうという形でもう少しきめ細やかな対応ができるよう少し実態の分析を進めてまいりたいと思います。
(平野光一) お隣の松戸市で、やはり過去の滞納分について、その延滞金に回されちゃったと、一部を。本税に入れたいと言ったんだけど、回されちゃった。それで、市民税延滞金不服申立書というのを出した方がいます。それに対して松戸市からは、市税過誤納金充当通知書というのが届いて、延滞金入れたものを本税に戻すと、こういう通知が来ました。だから、やっぱり間違いなんですよ。
「市税を滞納しているお客さんのことで柏市の収納課と交渉しているが、納税者の本税優先の充当を認めようとしない。柏市の対応は税法上もおかしいのではないか」ということでした。
そのお話を聞いて、私にはピンときました。市税や国保料の滞納問題の相談で、担当課と常にぶつかってきたことです。議会質問でも何度か取り上げてきました。
柏市の場合、市民税は4期、国保料は10期に分けて納期が決められています。滞納すると納期ごとに年利14.6%という高利の延滞利息が付きます。
この滞納している税や保険料を市民が納付しようとすると、柏市は納期ごとの本税にまず充て、次に終わった本税の延滞利息に充てます。そして次の本税、その延滞利息……という順に充てることを内規で決めています。市民が「本税を先に終わらせたい」といっても原則認めません。こうすることによって延滞利息がふくらんで、分納期間が長引いて、あるいは納付額が少ないといつまでも完納できずに、市民は苦しむことになります。
税理士さんは「このお客さんの場合は国税の滞納もあって税務署とも交渉したのですが、『この分納は本税から先に充てていいんですよね』と、税務署側から言うくらい税法上は当然のことなんです。柏市の対応は、私たち税理士の常識からは理解できないほどひどい」といいます。
きょう、相談者、税理士さんといっしょに収納課で話し合いました。結論は持ち越しましたが、滞納者を〝悪者〟とみる柏市の滞納整理の手法に、改めて怒りを燃やしました。
以下、一昨年12月議会での私の質問を参考までに付けておきます。(該当部分だけをまとめましたが、それでも長いので、関心のある方はどうぞ)
(平野光一) ……平成21年度柏市包括外部監査結果報告書では、平成20年度の市税や国民健康保険料に関する事務の監査結果について報告しています。この報告書で使われている市の資料によれば、個人市民税の滞納は1万7,719件、赤ちゃんからお年寄りまで人口の22人に1人、柏市は世帯人数の平均が2.5人ですから、約9世帯に1世帯が個人市民税を滞納しています。国民健康保険料では、滞納は1万6,868件、加入世帯6万618世帯ですから、3.6世帯に1世帯が滞納しています。12月に毎年送られる現年分と繰り越し分を合わせた国保料の催告書の発送件数は1万4,784通、4世帯に1通という数です。市民税や国保料の滞納問題は、ごく一部の人の問題ではなく、お隣や御近所で必ず起こっているわけです。市長は、きのうの武藤議員の質問に、国民健康保険の制度そのものが破綻していると答弁しましたが、柏市民のこれほど多くの世帯が市民税や国保料の滞納に苦しんでいるわけですから、制度が破綻していると淡々と述べるのではなく、その苦しみを少しでも軽減するために市長として全力を尽くすことが必要じゃないでしょうか。柏市の収納担当部署では、滞納分の税や国保料の一部を市民が納付したとき、納期の古いものの本税、本料に充て、次には年利14.6%の延滞利息に充てることを原則としています。本税、延滞利息、本税、延滞利息と繰り返していきます。納期を超えて本税、本料に優先的に充てていけば、延滞利息の計算のもととなる金額がゼロになりますから、延滞利息はその時点で固定され、それ以上ふえません。滞納している市民にとっては、延滞利息の負担が少なくなり、その分早く払い終えることができます。しかし、柏市は、市民がまず本税、本料を払い終えたいと希望しても、原則それを認めません。先日82歳と74歳の老夫婦が相談に見えました。82歳の夫は、脳梗塞の後遺症のリハビリ中です。74歳の妻は、インスリンによる糖尿病の治療を続けています。妻が胃の切除、胆石、脳出血と続けざまに入院が必要になった時期に保険料を滞納するようになりました。最近まで年金の支給月に8,000円ずつ分納していましたけれど、保険年金課で、これではいつまでたっても終わりませんよ、3万円にできませんかと言われ、約束してしまったけれども、3万円では夫のリハビリの回数を減らさなければならなくなる、2万円にしてもらえるように一緒に市役所に相談に行ってほしいというわけです。保険年金課で、2万円は納期を超えてまず本料に充てて、生きている間に保険料の滞納を終わらせたいという御本人の希望を伝えました。保険年金課は、検討するとのことでしたが、送られてきた納付書は本料、延滞金、本料、延滞金というものでした。市民の希望を無視した、あるいは納めるお金の充てる先を指定した、こういう市民の意向を無視した柏市の方針は、民法488条1項、弁済の充当の指定というのがあります。債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において、弁済として提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りないときは、弁済をする者は給付のときにその弁済を充当すべき債務を指定することができる。489条1項の2、債務の中に弁済期にあるものと弁済期にないものとがあるときは弁済期にあるものに先に充当する。2、すべての債務が弁済期にあるとき、または弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。この民法の規定に反しているのではないでしょうか、お答えください。
(秋山市長) ……続きまして、国民健康保険料の負担に関する御質問でございますが、議員御指摘いただいた民法上の考え方、我々は地方税法上の第20条の9の4第2項の規定に沿って執行しております。もちろん滞納者の生活状況にも配慮しながら、延滞金の減免であったり、あるいは免除、執行停止を行うなど、滞納者の生活に配慮した滞納処理もケース・バイ・ケースでしっかり行っているところでございますので、引き続き地方税法の規定にのっとって行いたいと考えております。
(平野光一君) 市長の滞納処分のときのお金の本税に入れるのか延滞金に入れるのかという問題で、答弁は、地方税法20条9の4の2、これに基づいてやっているんだということなんです。その20条の9の4の2というのは、こんなふうに書いてあるんです。この法律の規定により、納税者または特別徴収義務者が延滞金をその額の計算の基礎となる地方税に加算して納付し、または納付すべき場合において、納税者または特別徴収義務者が納付し、または納付した金額がその延滞金の額の計算の基礎となる地方税の額に達するまでは、その納付し、または納付した金額は、まずその計算の基礎となる地方税に充てられたものとすると、こういう規定がありまして、今の柏市のやり方は、皆さん見たことあるかどうかわかりませんが、滞納した人たちの資料の中には、本税があって、延滞金がある。市税でいえば4期に分かれていますよね。国保料でいえば10期に分かれていますよね。期ごとに本税があって、延滞金がある。本税があって、延滞金がある。これは、今言った左側の本税なり本料がゼロになれば、右の延滞金はそこでストップして、それ以上ふえないわけですよね。だから、今の柏市のやり方、本税、延滞金、本税、延滞金とやっていけば、その延滞金に納めている期間だけ、長い間延滞利息がほかのところでついてしまうということなんですよ。だから、この今の柏市のやり方、何に基づいてやっているんだと聞いたら、そういうことが今言われたわけです。この収納担当の職員の皆さんなんかが使っているQ&A、これは地方税優先の原則及び地方税と他の債権との調整というページなんですけれど、ここに民法の489条第2項参照というのがありまして、ここで延滞金の課されるもの、もしくはその割合の高いものに充てる等、できるだけ納税者等に有利になるように処理すべきであると。納税者のために有利になるように処理すべきである、この言葉の説明として民法第149条第2項参照、第1問で紹介したその条文が出てくるわけですよ。だから、地方税法のこの取り扱いについても、民法のそういう規定、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当しなさい。その債務者が充当すべき債務を指定することができる。まず、指定することができる。それから、利益の多いものに先に充当しなさい、このように書いています。私は、市長、民間の企業経営者であれば、例えばその企業なりが税を滞納していたときに、税務署に行って税金を納めるときに、その滞納者の、あるいは会社の一番利益になるように、そのように有利になるように、こうしてほしい、こうやってほしいということで、大抵税務署は認めますよ、そういうことを。それで、経営者なんかはそのことを一生懸命考えますよね。考えざるを得ませんよ。どうしたら一番有利になるか。ところが、柏市の場合は、平成22年度滞納整理アクションプラン、こういうのをつくっていますよね。これを見ますと、平成19年を境に、滞納繰り越し分、これは市民税のほうを言っています。滞納繰り越し分の収納率、収入済額が平成19年から20年、21年とだんだん少なくなるんですよ。減ってくるんです。これは、滞納繰り越し分の本税のほうです。ところが、次のページにグラフが載っていますけど、同じ19年から延滞金徴収額がそれまでの17年、18年の2倍以上にふえるんです。延滞金をたくさん取ろう、そのために本料、本税に回すところが19年から減ってくるんです。私は、このやり方は地方自治体の税の集め方、国保料の集め方として本末転倒じゃないかと。市民が、先ほども言いましたように、9件に1件ぐらいが個人市民税を滞納している。国保料については、加入世帯の4件に1件が滞納している。そういう方たちが市役所の収納課なり保険年金課に来て、できるだけ早く少ない負担で税金を納めたいと、そうやって相談に来るのに、それはだめだと。延滞金もちゃんと取りますよ、それで期間が長くなる、延滞金の利息がふえる、そういうやり方を今柏市はやっているんですよ。それが正しいと言っているんですよ。法律に基づいてやっていると言っているんですよ。おかしいじゃないですか。それこそ今言ったサラ金ですよ。サラ金も利息をどんどん稼ぐ。幾らでも稼ぐ。元金のほうは、どうですか、また枠ができましたけど、借りませんか。本体のほうは、少なくなれば貸す、少なくなれば貸すと、いつまでも本体を減らさないで利息だけ稼いでいく、これがサラ金のやり方ですよ。自治体がそういうやり方をやっていいんでしょうか。市民と協働だとか市民と一緒に市の財政の再建だとやっていかなきゃいけないときに、市民からできるだけたくさん取ろうと。だって、こうやって滞納されている方というのは、中には本当に、皆さんここでも言われているように、悪質な滞納者、資産、財産たっぷりあるのに払わない、払いたくない、そういう人も中にはいるでしょうよ、それは。いますよ。だけど、このアクションプランにも書いていますけど、大多数は十分な収入や財産がなくて、あるいは収入や財産が全くないというわけじゃないけれども、十分な収入や財産がない、この滞納者が大半であると。そこからどうやって取るかというのが大事なんだと書いているんです。それは大事でしょうよ。過去の滞納分も払っていただくというのは大切なことです。だけども、それには市の職員として、自治体の職員としての節度といいますか、モラル、倫理、私は必要だと思います。市民を苦しめる方向、苦しめる方向に取ろう、やり方をしよう、それは間違いじゃないでしょうか、市長。
(秋山市長) 間違いかどうか一概には言えなくて、恐らくいろんな状況を見なければいけないと。本当にさまざまな事情があって、行政として支援しなければいけない、サポートしなければいけないという方もいらっしゃると思います。一方で、悪意まではいかなくても、何とかなるかもしれないけども、優先順位が下がって市税を滞納されてしまう方もいらっしゃる。多分いろんな方がいらっしゃると思います。その中で、延滞税の部分は納めるという部分を仕組みとして強制するというか、仕組みとしてそっちに向けるようにやるような仕組みになっていると思います。ただ、平野議員おっしゃるとおり、いろんなケースがあると。そこで、画一的に対応する部分は問題があると思いますので、そこは実態をもう少し担当課と一緒に分析をして、一律じゃなくて、例えばこういう場合はこう、こういう場合はこうという形でもう少しきめ細やかな対応ができるよう少し実態の分析を進めてまいりたいと思います。
(平野光一) お隣の松戸市で、やはり過去の滞納分について、その延滞金に回されちゃったと、一部を。本税に入れたいと言ったんだけど、回されちゃった。それで、市民税延滞金不服申立書というのを出した方がいます。それに対して松戸市からは、市税過誤納金充当通知書というのが届いて、延滞金入れたものを本税に戻すと、こういう通知が来ました。だから、やっぱり間違いなんですよ。
by pikaitih
| 2012-04-19 21:44
| 政治と社会
【ぼくはきっとできるとおもう。なぜならぼくらがそれをいまかんがえているのだから】 賢治の童話の中のことばです。阻んでいるのは1%。99%が求めているのですから、きっと!
by pikaitih
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読んだ本・読んでいる本
『がんセンター院長が語る 放射線健康障害の真実』(西尾正道、旬報社)
『いまこそ私は原発に反対します』(日本ペンクラブ編、平凡社)
『チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害』(核戦争防止国際医師会議ドイツ支部、合同出版)
『新自由主義からの脱出 グローバル化のなかの新自由主義VS.新福祉国家』(二宮厚美、新日本出版社)
『福島第一原発 真相と展望』(アーニー・ガンダーセン、集英社新書)
『地震考古学』(寒川旭、中公新書)
『大地動乱の時代』(石橋勝彦、岩波新書)
「福島の教育現場から」(小川憲二『経済4月号』)
『日本の巨大メディアを考える』(志位和夫)
『新福祉国家構想1 誰でも安心できる医療保障へ』(二宮厚美他、大月書店)
『いまこそ私は原発に反対します』(日本ペンクラブ編、平凡社)
『チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害』(核戦争防止国際医師会議ドイツ支部、合同出版)
『新自由主義からの脱出 グローバル化のなかの新自由主義VS.新福祉国家』(二宮厚美、新日本出版社)
『福島第一原発 真相と展望』(アーニー・ガンダーセン、集英社新書)
『地震考古学』(寒川旭、中公新書)
『大地動乱の時代』(石橋勝彦、岩波新書)
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